そんなこんなで
一部の地域を除いて―
1時間スペシャルで
にぎにぎしく始まった「銀魂(ぎんたま)」
今回から 時間を遡って―
僕と銀(ぎん)さんが
出会ったころの話をするよ
侍の刀はな
鞘(さや)に納めるもんじゃねえ
てめえのに納めるもんだ
時代は
もう侍なんざ必要としてねえ
どんなに時代が変わろうと
人にはならねえもんがある
たとえ剣を捨てる時が来ても―
魂に納めた まっすぐな剣だけは
なくすな
父上!
ああ 雲ひとつない江戸(えど)の空…
もう一度 拝みたかったな…
“侍の国”
僕らの国が そう呼ばれたのは
今は昔の話
かつて 侍たちが
夢を青い空には―
異境の船が飛び交い―
かつて 侍たちが
肩で風を切り 歩いた街には―
今は異人が ふんぞり返り 歩く
それが僕らの世界
それが僕らの街
それじゃねえよ そこだよ そこ!
お前(めえ) 今どき こんなこと
チンパンジーでもできるよ!
お前 人間じゃん!
1年も勤めてんじゃん!
なんで できねえんだよ!
す… すみません
剣術しか
やってこなかったものですから
てめえ まだ剣 引きずってんのか!
侍も剣も
もう 滅んだんだよ
それを いつまで侍気取りですか
てめえは ああ?
おいおい その辺にしておけ 店長
おい 少年
レジはいいから牛乳を頼む
あっ… へい ただいま
旦那
甘やかして
いやぁ 最近の侍を見てると
なんだか哀れでな
我々が ここに来たばかりのころは
事あるごとに
侍たちがきたもんだが
こうなると ケンカ友達
なくしたようで寂しくてな
つい
出したくなるんだよ
20年前
突如 江戸に舞い降りた異人 天人
彼らの台頭により
侍は弱体化の一途をたどる
剣も地位も もぎ取られ―
誇りも何も 僕らは捨て去った
いや 侍だけじゃない
この国に住まう者は
きっと みんな もう…
おい
えっ?
侍?
何だ? 貴様
廃刀令のご時世に
木刀なんぞ ぶら下げおって!
ギャーギャーギャーギャー
んだよ
発情期ですか? この野郎
見ろ これ
てめえらが騒ぐもんだから―
俺のチョコレートパフェが…
丸々 こぼれちまったじゃねえか!
き… 貴様 何をするか!
我々を誰だと思って…
俺はな 医者に
“血糖値 高すぎ”って言われて
パフェなんて
週1でしか食えねえんだぞ!
そいつは
侍というには あまりに荒々しく
しかし
チンピラというには あまりに…
まっすぐな目をした男だった
店長に言っとけ 味は良かったぜ
はいはい ちょっと どけて
ああ いたいた お前か
木刀振り回して暴れてるヤツは
お~し 動くなよ
待って 違いますって
おい 弥七 中 調べろ
へい
あ~あ 茶斗蘭星(ちゃとらんせい)の大使でさぁ
こりゃ 国際問題になるぜ
えらいことしてくれたな
だから 僕は違いますって!
犯人は とっくに逃げたの!
はいはい
犯人は みんな そう言うの
言い訳は
凶器隠してから言いなさいよ
じゃ 調書取るから―
署まで来て
あれ?
あれー?
ああ やっぱダメだな おい
糖分取らねえと
なんかイライラする…
おい お前!
よくも身代わりにしてくれたな
この野郎!
あんたのせいで
もう何もかもメチャメチャだ!
律儀な子だな
木刀 返しに来てくれたの?
いいよ どうせ
修学旅行でやつだし
違うわ! 役人から
やっとこさ逃げてきたんだよ!
違うって言ってんのに
侍の話なんて誰も聞きやしないんだ
しまいには
店長まで僕が下手人だって
切られたな そりゃ
レジも打てねえ店員なんて―
チャーハン作れねえ母ちゃんくらい
要らねえもんな
あんた 母親を何だと思ってんだ!
バイト クビになったくらいで
ガタガタうるせえ
今どき 侍雇ってくれる所なんて
ないんだぞ!
あしたから どう生きればいいんだ
ちくしょう!
ギャーギャーやかましいんだよ
腐れメガネ
自分だけが不幸とか
思ってんじゃねえ
世の中にはな
ダンボールをマイホームと呼んで
暮らしてる侍もいるんだよ
お前 そういうポジティブな
生き方できねえのか? うん?
あんたこそ
ポジティブの意味 分かってんのか
あら 新ちゃん?
こんな所で
何をやっているの? お仕事は?
ゲッ… 姉上!
ああ どうも
仕事もせんと
なにブラブラしとんじゃ われ!
ボケ!
今月は どれだけピンチか
分かってんのか こら!
あんたの鼻クソみたいな給料も
ウチには必要なんだよ!
ま… 待って 姉上!
こんなことになったのは
あの男のせいで…
うわぁ 待て おい!
悪い 俺 夕方から
ドラマの再放送 見たいから…
いや あの…
ホント すいませんでした…
俺も あの…
と… 登場シーン
ちょ… ちょっと
っていうか…
すいませんでした!
ごめんで済んだら
この世に切腹なんて存在しないわ
あなたのおかげで
ウチの道場は存続すら危ういのよ
鎖国が解禁になって20年
方々の星から
天人が来るようになって―
江戸は見違えるほど発展したけれど
一方で 侍や剣―
古きに権勢を誇った者は
今 次々に滅んでいってる
ウチの道場もそう
廃刀令
門下生は全て去り―
今では姉弟(きょうだい)2人でアルバイトして
形をいる状態
それでも 父の残していった
この道場を守ろうと―
今まで必死に頑張ってきたのに…
お前のせいで
全部 パアじゃ ボケー!
落ち着け 姉上!
君のお姉さん
ゴリラにでも育てられたの?
ガルルル…
待て待て 落ち着け
切腹はできねえが
俺だってケツぐらい持つって
なに? これ 名刺?
“万事屋(よろずや) 坂田(さかた)銀時”
こんな時代だ 仕事なんて
選んでる場合じゃねえだろう
頼まれれば何でもやる商売
やっててな
この俺 “万事屋 銀さん”だ
何か困ったことがあったら
何でも解決してやる…
オラッ! だから
お前に困らされたんだってば!
仕事 紹介しろ 仕事を!
お… 落ち着け!
仕事は紹介できねえが―
バイトの面接のとき 緊張しない
おまじないなら 教えて…
要らんわ!
姉上
やっぱり この時代に
剣術道場なんて 土台ムリなんだよ
この先 剣が復興するなんてこと
もう ないよ
こんな道場 必死に守ったところで
僕ら 何も…
損得なんて関係ないわよ
親が大事にしていたものを
子供が守るのに―
理由なんて要るの?
でも 姉上
父上が僕らに何をしてくれたって…
こら!
今日という今日は
きっちり金返してもらうで
わし もう我慢でけへんもん!
してん!
おい 借金か?
お前ら ガキのくせに
デンジャラスな
世渡りしてんな
僕たちが
作ったんじゃない!
父上が…
新ちゃん
何をゴチャゴチャ抜かしとんねん
早(は)よう金持ってこんかい ボケ!
早よう帰って ドラマの再放送
見なあかんねん わし!
ちょっと待って 今日は…
じゃかあしいわ!
こっちは お前らのおとんの代から
ず~っと待ってんねん
もうハゲるわ!
払えんときは この道場
売り飛ばすいうて約束したよな
あの約束 守ってもらおうか
ちょっと待ってください
なんや? もうええやろう
借金残してバカ親父(おやじ)に
義理なんてでええわ
捨ててまえ こんな道場
この 何さらしとん!
姉上!
このボケ
女やと思うて手ぇ出さんとでも―
思うとんのかー!
ホワッツ?
その辺にしとけよ
ゴリラに育てられたとはいえ女だぞ
な… 何や? われ
こ… この道場に
まだ門下生なんぞ おったんかい!
ほんまに どいつもこいつも…
もうええわ 道場の件は
せやけどな その分
あんたに働いて返してもらうで
わしな この間から
新しい商売 始めてん
〝ハイレグしゃぶしゃぶ
天国〞いうねん
ハ… ハイレグ! な… なんで?
わしがハイレグ好きやからに
決まってるやろう
まあ 簡単に言うたら
“空飛ぶ遊郭”や
今の江戸じゃ禁止にされとるやろう
だが 空の上なら役人の目は届かん
やりたい放題や
ハイレグ拝みながら
しゃぶしゃぶ しゃぶしゃぶ
エグい角度で
お客のハートをしっかりゲットじゃ
いろんな星のべっぴんさん
集めとったんやけど―
あんたやったら大歓迎やで
まあ 道場 売るか
自分 売るかいう話や
どないする?
ふざけるな! そんなの行くわけ…
分かりました 行きましょう
ええっ?
こりゃ たまげた孝行娘や
アハハッ…
ど… 姉上! なんで そこまで!
もういいじゃないか! ねえ!
姉上!
新ちゃん あなたの言うとおりよ
こんな道場 守ったって
いいことなんて何もない
苦しいだけ
でもね 捨てるのも苦しいの
もう取り戻せないものというのは
持ってるのも捨てるのも苦しい
どうせ どっちも苦しいなら―
私は
それを守るために苦しみたいの
なんだよ ちくしょう
バカ姉貴がよ!
“父ちゃん 父ちゃん”って
あのハゲが何かしてくれたかよ!
たまにオセロ
やってくれたぐらいじゃねえか!
父ちゃん ハゲてたのか
いや 精神的にハゲて… うん?
…て あんた まだ いたんですか?
しかも 人ん家(ち)で なに本格的な
クッキングに挑戦してんの!
いや 定期的に
甘い物(もん)食わねえとダメなんだ 俺
だったら
もっとお手軽な物 作れや!
フンフン… スイーツ スイーツ
姉ちゃん 追わなくていいのか?
知らないッスよ
自分で決めて出ていったんだから
姉上も やっぱり父上の娘だな
そっくりだ
父上も 義理だの人情だの
そんなことばっか言ってる
お人よしで
そこをつけ込まれて
借金しょい込まされて死んだ
どうして あんなに不器用なのかな
僕は きれい事だけ並べて死ぬのは
ごめんですよ
どんなに時代が変わろうと
人には忘れちゃならねえもんがある
親が大事にしていたものを
子供が守るのに―
理由なんて要るの?
今の時代
そんなの持ったってジャマなだけだ
僕は もっと器用に生き延びてやる
そうかい
でもよ 俺には
とても お前が器用になんか―
見えねえけどな
侍が動くのに理屈なんて要らねえさ
そこに守りてえもんがあるなら
剣を抜きゃいい
姉ちゃんは好きか?
“絶景の夕日を見ながら天国へ”
“第1便 午後4時 出港”!
ヤバイ もう船が出ます!
もっとスピード出ないんですか?
いやぁ 基本的に安全第一だから
転ぶと痛いし
…んなこと言ってる場合じゃない!
姉上がハイレグしゃぶしゃぶの
危機なんですよ!
おい そこのノーヘル
止まれ この野郎
何言ってんスか この時代に
道路交通法なんて ねえっての
そりゃそうなんだけどさ
転んじゃ痛いよ
心配して言ってあげてんだから
大丈夫です 頭 硬いから
えっ?
なに? 人の親切に その態度
本当に痛いんだぞ!
大変なんだぞ!
うるせえな
硬いって言ってるだろう!
ああ 鼻血が!
いい年して鼻血が出ちゃった!
あっ… しゃぶしゃぶ天国
出港しちゃった!
どうすんだ? あんなに高く!
ああ 姉上ーっ!
ちくしょう ナメやがって 追え!
はい!
おい こら てめえ!
警察相手に
逃げられると思ってんのか!
お妙でございます
かわいがってくださいまし
だから 違う!
そこで
もっと谷間を強調じゃ ボケ!
谷間なんて 今まで生きてきて
1回もできたことないわよ
ウウッ… すまん やりたくても
まあええわ 次は実技
ハイレグはいて
いよいよ しゃぶしゃぶ天国じゃ
ちょ… それは角度が…
ウチは この角度が売りなんや
どないした? 早よう はかんかい
今更おじけづいたところで
遅いっちゅうねん!
ゴールデンだからって
ぬるい設定になってると思ったら
大間違いや!
これも道場を守るためや
なんやー!
ちょっと ちょっと なに?
社長 何事でっか!
車が すっ飛んできおった
あっ… あかんで これ パトカーや
役人が嗅ぎつけてきおったんか!
安心しな
こいつは ただのレンタカーだ
どうも 万事屋で~す
姉上
まだハイレグはかされてませんか?
新ちゃん!
おのれら
何さらしてくれとんじゃ!
姉上を返してもらいに来た
アホが!
どいつもこいつも
もう遅いっちゅうのが分からんか!
お前 こんなマネさらして
道場 ただで済まんで
道場なんて知ったこっちゃないね
僕は 姉上が
いつも笑っている道場が好きなんだ
姉上の泣き顔を見るくらいなら―
あんな道場 要らない!
新ちゃん…
ボケが!
たった2人で何できるいうねん
いてもうたらぁ!
おい 俺が引き付けといてやるから
てめえは
脱出ポッドでも探して逃げろ
あ… あんたは?
てめえは
姉ちゃんを守ることだけ考えろや
俺は俺の守りてえもんを守る
何をゴチャゴチャ抜かしとんじゃ
死ね!
はい 次!
なんだ こいつ!
なに!
で… でたらめだけど…
強い!
新一(しんいち) 行けー!
新八だ ボケ!
新ちゃん いいの? あの人
なんで
あそこまで私たちのことを?
そんなの分からないよ
でも あいつは戻ってくる
だって
あいつの中には ある気がするんだ
父上が言っていた あの…
ホントに戻ってきた!
キツかったんだ
思ったよりキツかったんだ
ちょっと 頼みますよ!
1分も もってないじゃないですか
バカ野郎! 1分 アニメ作るのは
すげえ大変なんだぞ
いいから 早く脱出ポッド探せ!
よし 萌えカット
こ… ここは…
動力室…
行き止まりや!
追いかけっこは しまいやで
哀れ
昔は国を守護する剣だった侍が―
今では 娘っ子1人
守ることもでけへん なまくらや
おたくらに守れるもんなんて
もう ないで
この国も空も わしら天人のもんや
国だ? 空だ?
くれてやるよ …んなもん
こちとら 目の前のもん守るのに
手いっぱいだ
それさえ守りきれずに 今まで
いくつ取りこぼしてきたかしれねえ
俺には もう何にもねえがよ
せめて
目の前で落ちてるもんがあるなら
拾ってやりてえのさ
しみったれた武士道やのぅ
もうお前は ええわ
去(い)ねや!
あきまへんわ 社長
あれに弾当たったら
する
船
ああ
よいしょ
上っちゃってるよ あいつ
おい!
ちょ… 待ち!
あかんで それ この船の心臓!
客の大事なもんは
俺の大事なもんでもある
そいつを守るためなら 俺は…
何でもやるぜ!
イヤー! !
なに? この浮遊感
気持ちわるっ…
落ちてんのか? これ
落ちてんの?
幸い 海の上だったから
良かったようなものの―
街に落ちていたら
どうなっていたことやら
あんなムチャクチャな侍
見たことがない
でも…
結局 助けられちゃったわね
なんだよ…
江戸の風紀を乱す輩(やから)の逮捕に
協力してやったんだぞ
パトカー拝借したのぐらい
水に流せよ
拝借って お前 パトカーも俺も
ボロボロじゃねえかよ
もともとだろう かえって
二枚目になったんじゃねえか?
371
00:22:00,147 --> 00:22:01,649
マジでか? どの辺?
姉上 僕…
行きなさい
あの人の中に
何かを見つけたんでしょう?
行って見つけてくるといいわ
あなたの剣を
私は私のやり方で探すわ
大丈夫 もうムチャはしないから
私だって 新ちゃんの泣き顔なんて
見たくないからね
姉上…
たとえ剣を捨てる時が来ても―
魂に納めた まっすぐな剣だけは
なくすな
父上
この男の魂 ものか
分かりづらいですが―
それは 鈍く
確かに光っているように思うのです
で
その光 みようと思います
しまった!
今日 「ジャンプ」の発売日だって
忘れてた
これを機会に卒業するかな
いや 男は死ぬまで少年だしな
次回…
俺も月牙天衝(げつがてんしょう)とか